どんな職業か
出産の介助、妊産婦の相談、妊娠から産後までの母子の保健指導を行う。このほか、育児指導や不妊治療、思春期などの性の相談などにもかかわることがある。 正常な妊娠・分娩・産褥の経過であれば、助産師の責任で分娩を介助し、妊産婦と新生児の健康診査や健康教育を行うことができる。 助産師は、戦前「お産婆さん」と呼ばれ、自宅での出産に立ち会って生まれる赤ちゃんをとりあげ、地域で母子の健康に大きく貢献していたが、戦後は病院での出産が主流になり、多くの助産師が病院で活躍するようになった。 病院では、出産の介助を中心に、乳房マッサージを行ったり、新生児の健康診査、沐浴(もくよく)・授乳の介助、新生児のケア、育児指導をするなど、産後の母子の健康を見守り、精神的に不安定になりがちな妊産婦の相談にのったりアドバイスをしたりする。 助産所では、正常な経過の妊娠、出産しか取り扱わないため、どうしても必要な時以外は、薬や器械は使用せずに自然出産するよう手助けしており、薬は医師の指示がなければ使用できない。 また、助産師は一般的に、妊娠・出産・子育てという、いわゆる出産をめぐって世話をする人というイメージがあるが、女性への指導を中心にして、男性をも含めた両性への性と生殖にかかわる支援をする専門家として、不妊相談や遺伝相談、思春期・更年期の人々への相談・支援等を行う仕事も行っている。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 医療機器(聴診器、注射器等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.8 | 17 / 498 | 上位3% |
| 他者の反応の理解 | 5.2 | 12 / 498 | 上位2% |
| 指導 | 5.0 | 8 / 498 | 上位2% |
| 説明力 | 5.0 | 58 / 498 | 上位12% |
| 対人援助サービス | 4.9 | 13 / 498 | 上位3% |
| 他者との調整 | 4.6 | 42 / 498 | 上位8% |
| 文章力 | 4.6 | 92 / 498 | 上位18% |
| 読解力 | 4.3 | 152 / 498 | 上位31% |
| 新しい情報の応用力 | 4.2 | 54 / 498 | 上位11% |
| 複雑な問題解決 | 4.2 | 57 / 498 | 上位11% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 医学・歯学 | 4.6 | 4 / 508 | 上位1% |
| 心理学 | 3.1 | 16 / 508 | 上位3% |
| セラピーとカウンセリング | 3.1 | 21 / 508 | 上位4% |
| 教育訓練 | 2.7 | 26 / 508 | 上位5% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.6 | 141 / 508 | 上位28% |
| 生物学 | 2.4 | 23 / 508 | 上位5% |
| 社会学 | 2 | 45 / 508 | 上位9% |
| 公衆安全・危機管理 | 2 | 44 / 508 | 上位9% |
| コミュニケーションとメディア | 1.9 | 104 / 508 | 上位20% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.8 | 170 / 508 | 上位33% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 4.0 | 10 / 426 | 上位2% |
| 発話表現 | 3.7 | 29 / 426 | 上位7% |
| 発話理解 | 3.6 | 25 / 426 | 上位6% |
| 記述表現 | 3.6 | 45 / 426 | 上位11% |
| 記述理解 | 3.6 | 39 / 426 | 上位9% |
| マルチタスク | 3.6 | 7 / 426 | 上位2% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 3.5 | 7 / 426 | 上位2% |
| 腕と手の安定 | 3.4 | 6 / 426 | 上位1% |
| 選択的注意(集中する力) | 3.3 | 28 / 426 | 上位7% |
| 帰納的推論 | 3.3 | 57 / 426 | 上位13% |
仕事内容
- 妊婦の健康を管理しながら妊娠の経過を確認し、出産の介助や出産後の母子の保健指導を行う。
- 妊婦に検診の結果や注意事項を説明する。
- 病室や分娩室の準備や器具・装置・備品の準備をする。
- 妊娠あるいは分娩中に異常な事態が発生した場合には、所定の緊急措置を行い、産科医に連絡をとる。
- 医師の指示に従って手術の補助をする。
- 分娩を介助し、分娩後の処置をする。
- 新生児の健康チェックや様々な計測を行う。
- 母子手帳や出生証明書に出産に関する記録を記入する。
- 出産後の産婦の状態を確認し、授乳や母体回復のための指導をする。
- 新生児検診や退院時の家庭育児指導により、母子の健康をチェックし、助言する。
- 妊娠中や出産後の乳房ケアや授乳の指導を行う。
- 妊娠期間中に母親学級を開催する。
- 家族計画、出産、育児について、個別または集団での指導を行う。
- 妊産婦や新生児の情報を地域と共有し、連携して援助する。
- 公的援助や子育て支援サービスの情報を妊産婦に提供する。
- 妊婦の精神状況を確認し、サポートする。
- 妊産婦の骨盤ケアを行う。
- 注射や採血を行う。
- 外来患者の主訴や身体の状態を踏まえて必要な検査を実施する。
- 集中治療室(NICU)で母子の支援や看護を行う。
- 流産後の手術や人工妊娠中絶手術を介助する。
- 他の助産師や、看護・助産学生に指導・教育する。
なるには
助産師になるには助産師国家試験に合格する必要がある。この試験の受験資格は看護師国家試験に合格していることが前提となるため、看護師国家試験合格に向け、高校卒業後、看護系大学、短大又は専門学校にて3~4年専門教育を修めたのち、試験に臨む。試験合格後、看護系大学にて助産師選択課程を選択した者は助産師国家試験の受験資格を得る。この他の選択をした者は、看護系大学院で2年間又は、看護大学専攻科・別科、看護短期大学専攻科、助産師養成所のいずれかで1年間の専門教育を修めたのち、助産師国家試験の受験資格を得る。いずれの過程においても助産師国家試験に合格後、助産師となることができる。 現在は職業・資格・試験の名称が「助産婦」から「助産師」に変わっているものの、助産師試験の受験資格は女性に限られている。 出産時の母子の生命の安全を確保するために、関連の専門知識・技術に加えて、適切な判断力と敏速な対応能力が求められる。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.7 |
| 専門学校卒 | 0.5 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.1 |
| 博士課程卒 | 0.0 |
| 高卒 | 0.0 |
関連する資格
- 助産師
- 看護師
給料
賃金構造基本統計調査では「助産師」として集計されています(2023年・全国)。この区分には3の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 395.8千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 919.9千円 |
| 平均年齢 | 40.5歳 |
| 平均勤続年数 | 9.3年 |
| 労働者数 | 1,584人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤333.6千円
- ≤364.2千円
- ≤398.2千円
- ≤435.3千円
- ≤550千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
助産師の就労先としては病院、診療所、助産所が多い。また、病院等での実務経験を積んだ後、自ら助産所を開業する場合もある。このほか、自治体の保健センター等公的機関に勤務している者もいる。 病院勤務の場合、看護職と同様3交替制・2交替制で日勤や夜勤を行うのがほとんどである。妊婦の外来、産後の外来を担当する場合もある。 助産所を運営している場合は、自然出産を志向する夫婦のニーズに応え、助産所や自宅での出産に対応するが、出産があれば、昼夜関係なく仕事をすることになる。 保健センター等に勤務する者は、新生児訪問として管轄内の家庭を訪問する等外回りの仕事もある。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 作業療法士(OT)近さ 0.859
- 理学療法士(PT)近さ 0.845
- 言語聴覚士近さ 0.806
- 小児科医近さ 0.783
- 老人福祉施設生活相談員近さ 0.781
- 養護教諭近さ 0.755
- 法務技官(心理)(矯正心理専門職)近さ 0.754
- 外科医近さ 0.744
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)