どんな職業か
作業療法士は体や精神に障害のある人がその心身機能を回復し、日常生活・社会生活に復帰できるように、食事、歯みがきなど日常生活の動作、家事、芸術活動、遊び、スポーツといった生活の中における作業や動作などを用いて訓練・指導・援助を行う医療技術者である。OT(Occupational Therapist)とも呼ばれる。 作業療法士は、病院の場合はカルテや患者との面接などから、訪問介護の場合は患者から直接ヒアリングを行って、医学的情報や生活情報を集める。そして、筋力や反射などの身体機能、認知機能や日常生活動作の能力について観察や検査を行い、患者の問題点を探る。これらの結果をもとに、患者それぞれの訓練目標を決め、具体的な訓練プログラムを作り、作業療法を実施する。 病院の場合、医師、看護師、理学療法士などから成るリハビリテーションチームでこれらを行う。 関節障害など身体の障害、アルコール依存症など精神の障害、脳性麻痺など発達の障害、高次脳機能障害、認知症など老年期の障害など、障害に応じて訓練目的と方法を考え、指導を行う。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.6 | 22 / 498 | 上位4% |
| 他者の反応の理解 | 5.2 | 15 / 498 | 上位3% |
| 文章力 | 4.6 | 81 / 498 | 上位16% |
| 読解力 | 4.6 | 109 / 498 | 上位22% |
| 説明力 | 4.5 | 132 / 498 | 上位27% |
| 継続的観察と評価 | 4.4 | 42 / 498 | 上位8% |
| 他者との調整 | 4.4 | 66 / 498 | 上位13% |
| 対人援助サービス | 4.4 | 31 / 498 | 上位6% |
| 指導 | 4.2 | 101 / 498 | 上位20% |
| 説得 | 4.1 | 102 / 498 | 上位20% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 医学・歯学 | 3.9 | 20 / 508 | 上位4% |
| セラピーとカウンセリング | 3.9 | 6 / 508 | 上位1% |
| 心理学 | 3.0 | 21 / 508 | 上位4% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.8 | 98 / 508 | 上位19% |
| 教育訓練 | 2.7 | 27 / 508 | 上位5% |
| 社会学 | 2.3 | 24 / 508 | 上位5% |
| 事務処理 | 2.3 | 149 / 508 | 上位29% |
| 生物学 | 2.3 | 31 / 508 | 上位6% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.9 | 142 / 508 | 上位28% |
| コミュニケーションとメディア | 1.7 | 145 / 508 | 上位29% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.7 | 47 / 426 | 上位11% |
| 発話表現 | 3.6 | 40 / 426 | 上位9% |
| マルチタスク | 3.5 | 9 / 426 | 上位2% |
| 発話理解 | 3.5 | 44 / 426 | 上位10% |
| 記述表現 | 3.5 | 69 / 426 | 上位16% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 3.4 | 14 / 426 | 上位3% |
| 記述理解 | 3.4 | 62 / 426 | 上位15% |
| 選択的注意(集中する力) | 3.4 | 13 / 426 | 上位3% |
| 腕と手の安定 | 3.4 | 7 / 426 | 上位2% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 3.4 | 53 / 426 | 上位12% |
仕事内容
- 身体や精神に障害がある人が心身の機能を回復し、日常生活や社会に復帰できるよう作業療法を用いて訓練を行う。
- 病院・施設・地域における作業療法のプログラムを企画・運営する。
- 医師、看護師、理学療法士などからなるチームで、治療訓練の目標を決める。
- 患者の身体機能、認知機能や日常生活動作の能力について観察や検査を行い、問題点を明らかにする。
- 患者の希望と生活環境に応じて訓練する作業を選択し、組み合わせる。
- 作業療法に使用する器具の使用前の準備や使用後の片付けをする。
- 作業に使用する資材や装置を設計・改善する。
- プログラムの実施状況や障害の改善状況を記録し、管理する。
- 患者の心理面をケアする。
- 活動への参加に必要な技術や技能を指導し、障害の改善状況を評価する。
- 他のスタッフや実習学生の指導やフォローを行う。
- 地域やケアマネジャーと情報共有し、連携してケアにあたる。
- 患者の家族の相談に応じ、必要な支援をする。
- ショック状態以前の患者の状態を把握する。
- 患者の状況を医師に伝える。
- イベントやレクリエーション、机上課題を企画し、実行する。
- 勉強会に参加し、知識やスキルを向上させる。
- レセプトを保存・管理する。
- 行政に必要な支援の充実を働きかける。
- 養成校での講師を担当し、学生指導や広報を行う。
なるには
作業療法士国家試験に合格して免許を得ることが必要となる。国家試験の受験資格は、高校卒業後、国が指定した作業療法士養成課程のある大学・短大・養成施設などで3年以上学び、必要な知識・技能を修得して卒業する必要がある。 仕事に就いた後も、専門家の団体や学会などによる研修会・講習会があり、高い水準の専門知識と技術を身につけることができる。 作業療法の手段となる作業や遊び、玩具、道具や機器を使いこなし、それを訓練や指導に結びつけ、応用できる能力が求められる。また、障害のある人々やその家族とコミュニケーションをとり、社会的自立を援助するために、理解力や説得力、プログラム作りの創意工夫、支援制度についての知識なども必要となる。 就職は、養成校の紹介や専門誌の求人情報などによることが多い。 また、一般社団法人日本作業療法士協会の認定資格として認定作業療法士、専門作業療法士がある。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.7 |
| 専門学校卒 | 0.7 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.1 |
| 博士課程卒 | 0.0 |
| 高専卒 | 0.0 |
| わからない | 0.0 |
関連する資格
- 作業療法士
- 理学療法士
- 認定作業療法士
- 専門作業療法士
給料
賃金構造基本統計調査では「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」として集計されています(2023年・全国)。この区分には4の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 300.9千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 714.4千円 |
| 平均年齢 | 35.6歳 |
| 平均勤続年数 | 7.4年 |
| 労働者数 | 25,569人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤282.8千円
- ≤293.3千円
- ≤303.3千円
- ≤314.2千円
- ≤325.5千円
理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士の都道府県別の給料を見る
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
勤務先は、病院、リハビリテーションセンターのほか、障害者施設、障害児通所・入園施設、老人保健施設、訪問介護事業所、保健所などである。原則として、賃金・労働時間・休日・休暇などの労働条件は、勤務先の病院・施設等で働く他の医療技術者と同様の水準である。勤務体制としては、一般的に早朝出勤や夜勤はないが、病院や施設等によっては宿直を行う場合もある。作業環境は作業療法室内がほとんどであるが、戸外等で行うこともある。 直近の国家試験合格者は4887人(2025年2月時点*1)である。就業者は女性が約6割を占めている*2。 いったん退職しても再就職したり、非常勤などで働く場合もある。 人口の高齢化とともにリハビリテーションの重要性はますます高まっており、作業療法士の数も年々増加傾向にある。これまでの病院・施設以外に、地域包括支援センターなど地域福祉分野にも活動の場が広がっているが、人材が不足している。 *1 厚生労働省、第60回作業療法士国家試験の正答・合格発表 *2 一般社団法人 日本作業療法士協会 会員統計資料『日本作業療法士協会誌』
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 理学療法士(PT)近さ 0.901
- 助産師近さ 0.859
- 言語聴覚士近さ 0.830
- 特別支援学校教員、特別支援学級教員近さ 0.804
- 老人福祉施設生活相談員近さ 0.789
- 児童発達支援管理責任者近さ 0.785
- 養護教諭近さ 0.764
- 小児科医近さ 0.764
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)