どんな職業か
医師の指示のもと、人工呼吸器・人工透析装置・人工心肺などの生命維持管理装置の操作を行うほか、多種にわたる医療機器の保守点検・管理を行う技術者である。 臨床工学技士の代表的な業務としては、人工呼吸器の作動確認をする呼吸治療業務や体外循環装置の操作や点検をする人工心肺業務、血管治療に伴う穿刺や人工透析装置の操作をする血液浄化業務、手術室の機器操作や管理を行う手術室業務などのほか、医療施設の様々な分野で使用される医療機器を、安全に使用できるようにまた、機器の性能が維持できるように保守・点検をする医療機器管理業務などを行っている。あらゆる医療スタッフが使いやすい機器を他職種と連携して選定し、いつでも安心して使用できるように点検・整備を行い、故障に対しては速かに修理する等医療機器のトータルケアを担当し、そこには医療に必要な工学的知識が要求される。 生命維持管理装置、人工透析装置や人工心肺装置等は、操作を誤ったり故障したりすると生命に直接かかわる重要な装置でるため、その取扱いには細心の注意を払う必要がある。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 パソコン、医療機器(人工呼吸器、人工透析装置、体外循環装置、人工心肺装置等)
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 4.6 | 190 / 498 | 上位38% |
| 読解力 | 4.6 | 113 / 498 | 上位23% |
| 保守点検 | 4.5 | 2 / 498 | 上位1% |
| 修理 | 4.3 | 7 / 498 | 上位1% |
| 操作と制御 | 4.2 | 5 / 498 | 上位1% |
| 指導 | 4.2 | 117 / 498 | 上位23% |
| 道具、機器、設備の選択 | 4.1 | 30 / 498 | 上位6% |
| 説明力 | 4.0 | 225 / 498 | 上位45% |
| 故障等の原因特定 | 4.0 | 17 / 498 | 上位3% |
| 他者の反応の理解 | 4.0 | 120 / 498 | 上位24% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 医学・歯学 | 4.4 | 9 / 508 | 上位2% |
| 工学 | 2.4 | 34 / 508 | 上位7% |
| 機械 | 2.4 | 36 / 508 | 上位7% |
| 教育訓練 | 2.4 | 41 / 508 | 上位8% |
| 生物学 | 2.3 | 27 / 508 | 上位5% |
| セラピーとカウンセリング | 2.3 | 48 / 508 | 上位9% |
| 公衆安全・危機管理 | 2.1 | 32 / 508 | 上位6% |
| コミュニケーションとメディア | 2.0 | 91 / 508 | 上位18% |
| コンピュータと電子工学 | 1.9 | 60 / 508 | 上位12% |
| 数学 | 1.9 | 63 / 508 | 上位12% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.8 | 25 / 426 | 上位6% |
| 選択的注意(集中する力) | 3.3 | 22 / 426 | 上位5% |
| 一瞬で素早く反応する力 | 3.3 | 27 / 426 | 上位6% |
| 発話理解 | 3.2 | 124 / 426 | 上位29% |
| マルチタスク | 3.2 | 47 / 426 | 上位11% |
| 発話表現 | 3.1 | 169 / 426 | 上位40% |
| 記述表現 | 3.1 | 161 / 426 | 上位38% |
| 記述理解 | 3.1 | 150 / 426 | 上位35% |
| 指先の器用さ | 3.0 | 55 / 426 | 上位13% |
| 知覚速度 | 3.0 | 27 / 426 | 上位6% |
仕事内容
- 医師の指示のもとに人工呼吸器などの生命維持管理装置の操作をするほか、医療機器の保守点検や管理をする。
- 医療用機器の部品や稼動に必要な試薬や備品を準備し、管理する。
- 患者の不安を軽減し、医療用機器の使用が安全に実施できるように、内容や手順を説明する。
- 患者を誘導し、危険物などを身につけていないか確認する。
- 医療用機器を使用するために、制御用のコンピュータを操作する。
- 医師の指示あるいは所定の手順に従い、医療用機器を調節・制御する。
- 医療用機器を使用している間、計器、記録計、モニター画面を監視・調整する。
- 検査中、患者の状態を観察し、異常や変化が見られた場合には処置を取り、医師に知らせる。
- 電子測定装置や記録装置を使用し、患者の状態の測定をする。
- 検査結果その他のデータをカルテに記録し、医師に報告する。
- 透析患者にシャント穿刺を行う。
- 手術での機械出し業務を行う。
- 医療機器の仕様・取扱いに関して現場スタッフに教育し、安全に操作できるようにする。
- 医療機器を操作するためのマニュアルを作成する。
- 院内で研修会を実施する。
- 緊急症例の呼び出しに対応する。
- 新しい医療機器の選定や導入、古い機器の廃棄をする。
- 医療機器を点検し、修理や調整をする。
- 手術室やカテーテル室を清掃・消毒する。
- 機器のトラブルがあった場合は、原因を探り、必要な対応をとる。
- 機器の安全情報を収集する。
なるには
臨床工学技士国家試験に合格し、厚生労働省医政局医事課試験免許室に申請することによって臨床工学技士名簿に登録が行われ、厚生労働大臣による免許が発行される。受験資格を得るためには、高校卒業後、臨床工学技士養成校で専門教育を3年間受けるほか、医療系(医師、看護師、その他の医療技術職)の学校や医用工学系の大学で必要な専門科目を履修したうえで1~2年の短期コースを修了するか、大学で指定科目を修了して卒業することでも受験資格が得られる。 また、国家資格を取得した臨床工学技士に対し、関連学会が独自に行っている透析技術認定士、体外循環技術認定士などの学会認定資格制度もある。これは臨床工学技士がより高度で専門性の高い業務に従事できるための能力の向上と、よりよい医療サービスを目指したものである。生命にかかわる仕事であるため、異常事態が起きた時、冷静沈着な対応が要求される。絶えず慎重に仕事を行い、細心の注意を払うことが必要である。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 専門学校卒 | 0.8 |
| 大卒 | 0.5 |
| 短大卒 | 0.1 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.0 |
| 高卒未満 | 0 |
| 高卒 | 0 |
関連する資格
- 臨床工学技士
給料
賃金構造基本統計調査では「臨床検査技師」として集計されています(2023年・全国)。この区分には4の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 351.4千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 868.1千円 |
| 平均年齢 | 41.3歳 |
| 平均勤続年数 | 11.9年 |
| 労働者数 | 8,422人 |
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤299.7千円
- ≤310.2千円
- ≤343.5千円
- ≤370.4千円
- ≤556.9千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
多くは人工透析を行う総合病院やクリニックに勤務している。人工心肺装置が必要な分野や人工呼吸器や麻酔機を扱う手術室・ICU(集中治療室)分野などでも働いている。そのほか、機器の保守管理を専門に行う人や、医療機器メーカーに勤めている人もいる。 地域的には、全国各地域で就業しているが、高度医療を担う大きな病院があるところに多く集まっている。男女比では男性が大半であるが、女性が増えつつある。 勤務体制は、緊急手術や人工透析などに対応するため、交替制で夜間・休日の勤務をすることもある。特に人工透析の場合は、仕事など社会活動を行っている患者のために夕方5時以降も透析できる施設もあり、昼間と夜間のシフト制を採用している場合もある。 人工透析の技術者の需要は、慢性腎疾患への治療の普及とともに増加してきた。今後も、各種の生命維持管理装置の開発に伴って高度の医療を求める患者が増加し、また、機器の高度化とともに、安全管理・信頼性管理も更に重要な業務となる。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 診療放射線技師近さ 0.859
- 臨床検査技師近さ 0.782
- 細胞検査士近さ 0.777
- 鉄道車両の設計・開発近さ 0.733
- 外科医近さ 0.675
- 義肢装具士近さ 0.675
- 救急救命士近さ 0.668
- 歯科医師近さ 0.664
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)